事業等のリスク
出典:平成21年度有価証券報告書「第2 [事業の状況] 4.[事業等のリスク]」より
(提出日2010年6月29日)
当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクの一部を以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社の事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、または重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(平成22年3月31日)において当社が判断したものです。
1.技術変化への対応力
当社は事務機器分野において、複写機、プリンター、ファクシミリおよびスキャナ等を提供しております。この分野における技術の変化は急激であり、また製品のライフ・サイクルは非常に短くなっております。当社の製品は大半がこの分野に属しており、当社の成功はこうした技術変化への対応力にかかっております。この分野で競争力を維持するために、当社は研究開発活動に多くの経営資源および資金を投入しております。このような投資にも関わらず、新製品の開発工程や技術内容は極めて複雑かつ不確実であり、以下を始めとする様々なリスクに晒されております。
- 当社の製品や技術がお客様のニーズを満たす、あるいは市場から認められるかどうか、当社が正確に予測できる保証はありません。
- 既存製品の機能を併せ持ったさらに先進的な製品の投入が、こうした各既存製品の販売実績に悪影響を及ぼさないという保証はありません。
- 当社が新製品や技術に必要な原材料や部品を仕入先から低価格で調達できる保証はありません。
- 当社が市場機会を捉えるのに失敗し、その結果損失を被ることのないように、新製品の販売プロセスを管理できる保証はありません。
- 当社がすべての新規開発製品の販売に成功する保証はありません。
- 当社が業界の変化に十分対応できる保証はありません。
上記のリスクを含め、当社がこの分野に関連するいずれかのリスクへの対応に失敗した場合、当社の将来の成長および収益性が低下し、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の一般的なリスクに加えて、当社は以下のような画像処理・情報管理分野の特有のリスクに晒されております。
デジタル技術
事務機器分野において使用されている様々な技術の中で、競争優位を獲得するための最も重要な要因の1つは、デジタル技術であると当社は考えております。当社は現在、デジタル技術の先進企業であり、複写機、プリンター、ファクシミリおよびスキャナ等の事務機器に利用されるデジタル技術の重要性は今後も引き続き高まっていくと予想しております。 国内で販売している当社の複写機の大半は既にデジタル化されておりますが、デジタル複写機およびその他デジタル製品に使用されているデジタル技術は今後も引き続き発展し、デジタル製品関連の競争は激化すると当社は考えております。当社はデジタル技術に積極的に研究開発費を投じる方針ですが、当社が同技術において最先端の地位を維持できる保証はありません。当社がデジタル技術を十分に開発できなければ、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
マルチ・ファンクション製品
事務機器分野では、デジタル技術の利用拡大および「ペーパーレス・オフィス」化により、様々な機器が相互に機能するマルチ・ファンクションの環境に向かっていると当社は考えております。その結果、単一の機能しか持たない機器はマルチ・ファンクション機器に組み込まれるか、あるいはネットワークによって接続され、様々な機能を果たすようになる可能性があります。当社は既にマルチ・ファンクション機器を提供しておりますが、このマルチ・ファンクション化の傾向がますます進展し、現在の当社製品の一部は陳腐化し、また製品の大幅な改良が必要となり、現在保持していない技術が必要となる可能性があります。当社がこうした変化に十分に対応できるという保証はありません。
2.競合の激化
複写機も含めた事務機器分野の競争は極めて激しく、当社は一段と激しい競争に直面すると予想しております。現在、当社の競合企業には事務機器の大手メーカーおよび販売会社に加えて、オフィススーパーストアや家電チェーン等があります。さらにデジタルおよびその他の新技術が開発され、こうした新技術を利用した新たな事務機器製品が市場にますます受け入れられるようになると、コンピューター・メーカーおよび販売会社等を含めた新たな企業と競合する事態も予想されます。 従って、新規競合企業が台頭し、あるいは既存企業と新規競合企業が提携して、大きな市場シェアを急激に獲得する可能性があります。当社は事務機器分野におけるリーディングカンパニーであると考えておりますが、将来、効率的に競争を継続できる保証はありません。当社が競争力を維持できず、価格低下圧力に晒され、あるいは潜在的な顧客の獲得に失敗した場合、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.国際的活動および海外進出のリスク
当社は事業活動の相当部分を日本以外に米国、欧州、ならびに中国等その他地域で行っております。こうした海外市場で事業を行う際には、以下のような特有のリスクがあります。
- 好ましくない政治的または経済的要因
- 為替レートの変動
- 潜在的に不利な税影響
- 予想外の法的、または規制面の変化
- 知的所有権の保護制度の未整備
- 社員の採用と雇用維持およびマネジメントの難しさ
- インフラの未整備
国際的活動に固有のリスクに当社が十分に対処できない場合、事業、経営成績、または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社は世界的な事業の拡大および海外での売上の増加を引き続き計画しておりますが、国際的活動の展開に伴うリスク(上記のリスクを含む)があるため、海外事業の拡張が成功し、それにより経営成績および財政状態に好影響を与えるという保証はありません。
4.主要市場における経済動向
当社製品に対する需要は日本、米国および欧州等の当社の主要市場における景気変動の影響を受けます。主要市場の景気後退および消費の落込みは当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.為替レートの変動
当社の海外子会社の現地通貨建ての業績は各会計年度の平均レートを用いて円換算され、連結損益計算書に計上されます。
現地通貨建ての資産・負債は各決算日現在の為替レートを用いて円換算され、連結貸借対照表に計上されます。従って、業績、資産・負債は為替レートの変動に左右されます。
さらに、営業損益は為替レートの変動の影響を非常に受けやすくなっております。当社は、生産活動および販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州、ならびに中国等その他地域で行っており、外貨建て収益および費用の比率が高いためです。当社は米ドル、ユーロおよび円等の主要通貨の短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関と為替予約等のヘッジ取引を行っておりますが、為替水準の中・長期的な変動により将来の調達、生産、物流および販売活動が困難になり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
6.原油価格の変動
当社の製品は原油を原料とする部品や原材料を多数使用しております。原油価格が上昇した場合、部品や原材料の価格が上昇する可能性があります。また、原油価格の上昇は、物流コスト・光熱費の上昇にもつながります。当社がこれらの影響を販売価格に転嫁できなかった場合、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
7.公的な規制
当社は事業を展開している各国の政府の様々な規制および認可手続きの影響を受けます。例えば、事業と投資計画の承認を得る必要があるほか、輸出規制と関税、ならびに通商、独占禁止、特許、消費者と事業への課税、為替管理および環境やリサイクル法等の規則や規制下にあります。当社は、CSR(CSR=Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)推進組織を設置し、遵法に関する社内的な諸活動を従業員に実施させ、これらの規則や規制に違反することを未然に防止しております。しかしながら、仮に当社がこうした規制のいずれかに準拠できない、または必要な認可を得られない場合、各国での活動は制約される可能性があります。
さらに、仮に規制に適合できても、それが費用の増加につながることも考えられます。従って、こうした規制は当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
8.米国企業改革法404条・金融商品取引法への対応
米国証券取引委員会に登録しているすべての企業は、米国企業改革法404条の適用を受けます。同法では、財務報告に関する内部統制の有効性の評価に関する経営者による報告書を年次報告書に添付することを義務付けております。また、財務報告に関する内部統制の有効性に対する外部監査人の監査を要求しております。これらの基準に準拠し続けるためには費用が嵩み、長い時間を費やすことになります。なお、金融商品取引法では、米国証券取引委員会に登録している企業に対して金融庁の定める内部統制府令に基づいて報告書の発行を要請しております。もし当社が財務報告に関する内部統制を正しく維持できない場合、経営者が内部統制の評価を適時に行うことができない場合あるいは外部監査人が適正意見を表明しない場合には、罰則が適用され、当社に対する投資家の信頼を失う可能性があります。
9.知的所有権の保護
当社は数多くの知的所有権を保有し、ライセンス供与しております。当社が必要、または望ましいと判断した場合、他社の知的所有権を利用するため、新たにライセンスを導入いたします。当社がこうした知的所有権の保護、維持、あるいは取得に失敗した場合、経営成績および競争力に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は知的所有権の対象となる発明に対して、その発明者に相当の報奨金を支給する等、適切な対応をとっております。
しかしながら、将来、発明者から発明の報奨金について対価を請求する訴訟を起こされる可能性があります。
10.人材の確保
当社はマネジメントおよび情報技術(IT)の分野において、優れた能力を持つ新たな人材を確保し雇用を維持することにより、高い競争力を維持できると考えております。しかし、高い能力を持つ人材の数は限られており、こうした人材を確保し、雇用を維持するための競争は特にIT業界においては熾烈です。優秀な人材の確保および雇用維持は、今後の技術進化に伴い当社が競争力を維持するためには特に重要です。当社が優秀な人材の確保および雇用の維持ができなくなった場合には、当社の将来の成長、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
11.退職給付債務
退職給付債務および年金制度の資産に関し、一定の会計方針に基づいて当社はこれらの給付費用を負担し、政府の規制に従って資金を拠出しております。現時点では、直ちに多額の資金は不要ですが、株式や債券市場等の予測し得ない市況変動により、制度資産の収益性が低下すれば、追加的な資金拠出と費用負担が必要になる可能性があります。こうした追加的な資金拠出と費用負担が、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
12.環境規制
当社の事業は有害物質の排出、排水、使用および処理、廃棄物処理、製品のリサイクルおよび土壌と地下水の汚染等を管理する様々な環境法および規制の制約を受けております。当社は現在および過去の生産活動の中で環境責任というリスクに直面しております。将来の環境法順守または環境改善のための追加的な義務に関連した費用が当社の事業、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
13.ファイナンス事業のリスク
当社は当社製品の販売およびリースに伴い、一部のお客様に対してファイナンス事業を行っております。ファイナンス契約の締結前およびファイナンス期間中は定期的に、お客様の信用度および信用の供与額を評価しています。信用リスクの集中、与信の未払いなどの潜在的リスクも最小限に抑える必要があると考えているため、こうした評価によって、信用供与の程度を調整しております。このようなモニタリングを行っておりますが、お客様の債務不履行は完全には予測できないため、信用供与額をすべて回収できる保証はありません。
これに加えて、当社がお客様と締結するこうしたファイナンス契約は固定金利の長期売上債権になります。しかし、当社はこうしたファイナンス契約用の資金を主に変動金利の短期借入で調達しております。当社はヘッジ取引を行っておりますが、こうした金利差を完全にヘッジすることはできません。
仮に当社がファイナンス事業のこうしたリスクに十分に対処できない場合、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
14.製造物責任
当社は当社製品およびサービスに関連した欠陥や問題に対し責任を負う可能性があります。欠陥によっては、重大な賠償責任を負うことも考えられ、それが当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、高度で複雑な技術を利用した製品およびサービスの提供が増加していくのに伴い、このような欠陥が発生する頻度は高まる可能性があります。当社の責任の拡大につながる可能性がある欠陥の潜在的な増加は経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、万が一、欠陥が発生した場合における社会的評価の低下は、お客様の当社の製品およびサービスに対する購買意欲を低減させる可能性があります。その結果、当社の経営成績および財政状態は悪影響を受ける可能性があります。
15.他社との業務提携、合弁事業および戦略的投資
当社はお客様のニーズの変化に対応して様々な製品・サービスを提供するため、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行っております。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新技術・新製品を開発・販売するうえで有効な手段であると当社は考えております。
しかしながら、業務提携・合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、製品および人材などの統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり、また時間や費用などが想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社事業に重大な影響を及ぼし、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
16.情報漏洩のリスク
当社は事業の過程において技術、営業に関しての機密情報を保持し、また多くの個人情報を有しております。これらの情報の外部への不正な流出を防止するため、データベースへのアクセス環境、セキュリティシステムの継続的な改善を図るとともに、情報の取り扱いに関する制度の徹底を図る社員教育や、情報へのアクセス管理など、内部管理体制についても強化しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合、社会的信用の失墜や損害賠償責任のために多額の費用負担などの可能性があります。また、当社の機密事項が第三者に流出した場合には、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
17.自然災害など他のリスク
日本は世界的に見れば比較的地震が多い国であり、日本国内における当社の一部の生産設備が地震によって壊滅的な損害を被る可能性があります。こうした設備のいずれかが壊滅的な損害を被った場合、操業は中断し、生産や出荷が遅れる可能性があります。このような事態が起こった場合、売上は減少し、破損した設備の修理または交換に多額の費用がかかる恐れがあり、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は事業を世界各地域に拡張して行っておりますが、それに加え生産拠点を日本をはじめ、欧米、アジアに展開しております。昨今世界的に危惧されております新型インフルエンザが発生し、当社の事業母体となります販売会社、或いは生産拠点の従業員達が感染した場合、会社・工場機能が麻痺し、通常の活動が出来なくなる可能性があります。これらの新型インフルエンザの影響は長期にわたり、売上は減少し、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社のITへの依存度が高まるのに伴い、ソフトおよびハードの欠陥、コンピューター・ウィルスおよび社内データベースの問題(改ざん、消失等)が業務に及ぼすリスクは高まっております。当社はコンピューター・ウィルスの検知および除去用のファイアウォールの構築、アンチウィルス・ソフトの利用等、様々な予防策を採っておりますが、こうした問題の影響を完全に回避する、または軽減できない恐れがあります。
これらは当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに加えて、当社は世界各地のお客様のニーズをより早く、より効果的に満たすように、製品とサービスの世界的なサプライ・チェーンを構築し、全世界において事業を継続的に拡大しております。当社が事業を世界各地域に拡張していくのに伴い、各地域における伝染病や疫病等の新たなリスクが経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。