トップメッセージ

変化を乗り越え、イノベーションを起こし、リコーは地球と社会に貢献し続けます。

代表取締役 社長執行役員 近藤史朗

人と情報のかかわりの中で新しい価値を創造する。
かけがえのない地球を守り、持続可能な社会づくりに貢献するために、リコーは変化するグローバル市場でチャレンジを続けます。

2011年3月11日に発生した
東日本大震災に対する事業を通じた支援活動

21世紀も10年のひと区切りを過ぎ、企業にも社会と地球を見すえたより広い視点と行動が求められる時代になりました。そんな矢先に起こったのが、この度の東日本大震災でした。まず、被災された皆様やそのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げるとともに、皆様の安全と一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
リコーグループでは、災害発生後直ちに「災害支援対策本部」を設置し、被災地支援に対する基本方針を確認するとともに組織的な支援活動に着手いたしました。
震災発生2日後に総額3億円の支援を表明し、被災地域の自治体ならびに現地で緊急支援活動を行うNPOへ支援を行いました。更に緊急支援物資としてバッテリーで駆動できるプリンターや防水・防塵デジタルカメラなどを自社のロジスティックを活用し速やかに被災地へ提供しました。
今回の震災では、リコーグループ内でも東北リコー、迫リコー、リコー光学など、世界へと製品・部品を供給する重要拠点で建物や生産設備の被害が発生しました。しかし、社員・スタッフの懸命な努力により、4月15日に全面復旧し、すべての操業を再開することができました。私も現地へ入り、早くも動き出した工場のラインを目の当たりにして、社員の職場を守る意志の強さ、ひたむきさを頼もしく受けとめました。一方、事業所ごとの募金活動や救援物資の提供といった活動の輪が広がっています。いち早くこのような取り組みを開始した社員・スタッフの行動に誇りを感じています。世界各地のリコーグループの社員からも、震災直後から励ましや応援のメッセージが多数届いています。そんなやり取りの中にグループ11万人の絆を感じ、改めて強く勇気づけられました。
リコーグループでは被災地への一時的な支援だけでなく、事業によって現地の雇用を促進し継続的に被災地をサポートすることが重要だと考え、現在、新たなリサイクル工場を東北地区に建設するプランを検討しています。企業としての社会貢献の基本は、事業によって人々や社会のお役に立つことです。リコーグループの創業者・市村清が戦後の混乱期に国や社会に尽くし、社員がともに人々のために働くことをとなえた『三愛精神』のもと、国難とも言うべき大きな困難の中にも新たな光明を見出し、グループの総力を結集してこれに立ち向かっていく覚悟です。

お客様の未来の暮らしを想像し
イノベーションを起こす

思い返せば、創業以来リコーが歩んできた道のりは、「イノベーション」の歴史そのものでした。お客様が、社会が、真に必要とする新しい価値を創造し、提供すること。それがイノベーションだと私は考えます。私はもともと開発者です。既存の技術の改善はもちろん大切ですが、それだけでは生まれない新しい価値が存在すると考えています。例えば、カセットテープをいくら改良してもCDは生まれません。空港に行ってビジネスマンに「何か問題はありますか?」と聞いても、飛行機に乗らずにビデオ会議をするという発想は出てこないのです。イノベーションとは、技術革新によって未来の顧客価値を創造し、それをお客様に提供することです。
イノベーションを起こすためには、どんな風にお客様の未来が変わっていくのかというビジョンに対する、イマジネーションが大切です。例えば、会社に来なくても仕事ができるようになるかもしれません。家でも仕事ができるようになったら、社員がオフィスに来る理由はどう変化していくでしょうか?
おそらく仕事をするためではなく、ミーティングをするために出社するようになるでしょう。オフィスレスが浸透すると、社員同士が顔を合わせる機会が減り、コミュニケーションがますます貴重になるからです。そうなった時に、どんなデバイスやツールがあったら快適に働けるでしょうか?私はそうした小さなヒントのような商品を「砂粒」と呼んでいます。いまリコーでは、そうした「砂粒」をひとつひとつ投入していこうとしています。それぞれはバラバラに見えるかもしれません。しかし、それらがネットワークという「糊」でつながった時にコンクリートとなり、未来のオフィスの姿が浮かび上がってくると信じています。
リコーはプリンターや複合機を作っていますが、それだけにとらわれて機器ありきの開発に終始してはいけないと考えています。リコーの事業の中心は、製品ではなく、製品を使っていただくお客様です。人と情報のかかわりがどのように変化しているのかを意識して、お客様の未来の暮らしについてイマジネーションを働かせることこそが重要です。世の中が変化するのをただ眺めているのではなく、そこに積極的に関わっていく時、新たな価値が生まれてくることでしょう。未来を先取りする物づくりが、リコーの価値を高めることにつながります。チャンスは、変化の中にこそ積極的に見出すべきものではないでしょうか。

Photo:近藤史朗社長

社会に貢献し
社会に生かされるということ

グローバル企業として、未来を見すえ、未来を設計していく、それには、さまざまな地域の今に、事業を通して関わり、貢献していくことが重要です。例えばある新興国では、バッテリー付のテレビが販売されています。これは、その地域が頻繁に停電することを考慮して開発されたものです。リコーでもそうした地域起点の開発が重要だと考えています。本来、人類が生み出したものは、ほとんど地球という共有の資産から生まれたもの。
先進国だけがそれらを独占していては、この星の未来は限られたものになってしまうことでしょう。リコーはグローバル企業として、より多くの人にそれらの恩恵を享受する機会を広げていきたいと考えています。
現地で雇用を生み出すことも、そのひとつの方法かもしれません。地域で生み出されたものはその地域で消費する。そういう考え方のもとに、例えばインドではリコー社員を農村に長期滞在させ、現地のニーズを探っていくBOPプロジェクトを行っています。そうした活動の根底には「地域の人たちの役に立ちたい」という志があります。インドには古いものと新しいものがある種、無秩序に混在していて、生き方のスタイルやレベルも地域ごとに大きく異なっています。そうした社会の中で、より多くの人がより豊かな生活を送るために事業を通じて継続的に支援したいと考え、いま新たに現地ならではの発想から生まれた事業を始めることを計画しています。
私たちは、社会に生かされている存在であることを忘れてはならないと思います。ですから、さまざまな活動を通して地域社会に貢献していくことが大切です。世界中のさまざまなステークホルダーに支えられて、リコーという企業が必要とされる存在でいられるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

もっと成長・発展を望まれる
グローバルブランドへ

例えば今、ビジネス市場では「紙の出力をなくしたい」というニーズが高まりつつあります。その背景には、環境負荷をできるだけ抑えたいというお客様の意識の変化があります。リコーは、環境負荷が少ない商品・サービスを提供し、実際に商品を使うシーンでも環境負荷を抑えるお手伝いをさせていただいています。お客様それぞれのニーズにきめ細かなサービスで対応することで、お客様からの支持を得ることができ、企業自身も成長できるのではないでしょうか。
世界の人々のニーズに応え、持続可能な社会の発展に役立つ新しい価値を提供し続けること。それが「社会から成長、発展を望まれる企業」へとつながっていくと信じて、社会とともに成長・発展していくのがグローバル企業のあるべき姿だと思うのです。私たちリコーは、約180カ国で事業を展開する企業として、経済・社会・環境それぞれに対する価値を生み出す取り組みを進めていきます。そして、新たな技術革新やビジネスモデルを創出するイノベーションを通じて、もっと世界中で愛され、信頼されるブランドになりたいと思っています。
社員が国や地域に関わりなくボーダレスに活躍し、それによってキャリアを重ね、自ら未来を拓いていくことのできる企業こそが、本当のグローバル企業だと私は思います。自ら変えることに挑戦し続ける個人、そのやる気とチームの生産性を向上し続ける組織・人材マネジメント、そしてイノベーションを起こすことのできるリーダー。それぞれが成功体験にとらわれることなく、変化の激しいグローバル競争のなかで最適なオペレーションを追求し続けることが、リコーに変革をもたらします。社員一人ひとりが会社の成長と自己実現を重ね合わせながら、国や地域を超えて働くことが社会を活性化させ、それがリコーの一員であることの喜びにもつながっている。そんな、真のグローバル化への動きを一段と加速させていきたいと考えています。

地球・社会との共存という理念を
世界中のリコーグループ社員へ

さまざまな意味で大きなひとつの節目になるであろう2011年。私たちはこれまで以上に地球と社会と共存していけるリコーであるために、三愛精神をベースとし、地球・社会の持続的発展を視野に入れた「リコーウェイ」を制定しました。
そもそも、社会のお役に立つことは、リコーグループの創業の精神「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」三愛精神の体現に他なりません。これを現代の価値に置き換えれば、新しい顧客価値を提供することはもちろん、かけがえのない地球を守ること、持続可能な社会づくりに責任を果すことを含めて考える必要があります。
このような理念を世界中のリコーグループの社員に浸透させ、一人ひとりがグローバル企業の一員としていきいきと活躍してほしいという思いもあります。私は、お客様の未来を考え、決められた仕事の枠を超えて行動することが、リコーにとっての改革につながると考えています。そのように、社員が能動的に活躍するためには、守るべき心の拠り所、活動のスタンスが必要です。「リコーウェイ」は、新たな顧客価値を創造しようと広い海へ繰り出していくリコーグループ社員の羅針盤になると信じています。

Photo:近藤史朗社長

※掲載記事は2011年5月18日の談話をもとに構成したものです。

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